突然に動悸がして、息が苦しくなり、手がしびれてくる。あわてて救急車で病院を受診するが、血液の検査や、心電図の検査でも異常は見つからない。身体の方の異常がないために、病院ではあまり重要視されないこともありますが、その様なケースは最近増えてきているようです。
Aさんも、そのような症状で病院の救急外来を受診し、検査で異常が無いことから精神科を紹介されました。本人は、身体の病気と思っており、自分は、頭はおかしくないと、精神科への紹介は少し不満のようでした。
急に起こって、短時間でピークに達する強い不安の症状を「パニック」と表現します。パニックでは、不安という精神面の症状に加えて、動悸やめまい、手先のしびれなどの身体の症状も多く見られます。心臓の病気で死んでしまうのでないかという感じを持つこともあります。しかし、いろいろな検査しても異常は見つからないのです。精神科では、カウンセリングや抗不安薬などの薬物療法が行われ、その効果が認められています。
Aさんの場合、抗不安薬の服用で症状は、ほとんど起こらなくなりました。そして、何回か診察を重ねる中で、少しずつ生活歴が語られました。Aさんは、3人兄弟の長男で、両親からも期待されて育ち、実際、期待通りのコースをたどって社会人となりました。職場でも、そつなく仕事をこなし、上司からの評価も悪くないようです。Aさんの場合、パニック症状の原因がどこにあるのか容易にはつかめません。しかし、常に何かピンと張ったような緊張感を持って生活していることが、Aさん自身にも分かってきました。
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